バイオグラフィー

Biography

宝居 智子
宝居智子

美術家・画家

1984年 千葉県出身
2007年 女子美術大学美術学科日本画専攻 卒業
イギリス(ロンドン)在住

 宝居智子の作品は、悠久の時間の中で育まれてきた自然と生命の時間を半抽象的に視覚化しています。彼女の作品は過去-現在-未来の時間軸を描いており、人それぞれが異なる環境の中で築いてきた内なる自然観へとアプローチしています。

 宝居は幼少期から常に絵を描き続けてきました。彼女にとって描くという行為は生活の一部であり、生きる証のようになっています。また、絵を描くことと同様に、生まれ育った日本の自然や歴史、伝統文化に触れることは、幼い頃から彼女の人生の重要な部分を占めてきました。彼女にとって、自然や歴史に触れることは自身とのつながりを理解するための重要な原点となっています。彼女は大学で日本画を専攻し、卒業後は伝統的な技法を用いて、消えゆく日本の四季をテーマに展示と制作を行ってきました。

 2013年より5年間カザフスタンへと拠点を移した宝居は、カザフスタンの大自然と、日本とは異なる文化や宗教から大きな影響を受けるとともに初めて異国の地に住み外国人となった体験から、自己と他者の内なる自然観について考察するようになりました。この内なる自然観というのは、人それぞれが生まれ育った自然環境の中で得た、伝承・習慣などの意識的に現代までに培われてきた行動や、無意識に抱く感情や美意識のことを指しています。カザフスタンでの体験は、彼女自身の内なる自然観を客観的に捉えるきっかけとなりました。彼女は視覚から得た情報と、視覚からでは認識できない現象の二つのバランスを行き来しながら制作したいと考え、作風を具象から半抽象的な表現へと大きく変化させました。宝居は自然に存在する地層、貝殻、結晶、年輪、鉱物などのあらゆる時間の痕跡と、彼女自身の時間の痕跡とを重ね再構築しています。

 彼女は自身の痕跡の一つとして、彼女のルーツである職人から受け継ぐ遺伝的行為を作品に取り入れました。それは、遺伝的な無意識による行動と、生まれ育った風土で得た経験による行動の間で絵筆を動かし線の蓄積により視覚化させていくという手法です。素材も彼女のルーツを含む七宝を取り入れました。七宝の素材である金属とガラスは、それぞれ彼女の母方の祖先である鉄砲鍛冶と、祖父が営んでいたガラス屋で使用される材料で、彼女の祖先から現在に至るまで続く時間の痕跡を表しています。七宝がカザフスタンを通るシルクロードから日本に伝来したことも、歴史と彼女の過去を結びつけるものです。
 彼女の作品は主に、七宝やアクリル絵具を使用したミクストメディア絵画や、鉛筆によるドローイングを制作しています。彼女は作品の素材をとても大切にしており、日本画を学んでいた経験が生かされています。

 現在彼女は生活の拠点を英国へと移し、今までとは異なる自然観を体験しながら制作しています。彼女は地球に存在するあらゆる自然と生命の存在や時間を探求しています。

 

Exhibitions / Awards

Solo Exhibitions

  • 2009年 初個展(月光荘/銀座)
  • 2012年 個展「花蝶画-SAKURA-」展(ドラードギャラリー)
  • 2013年 個展「東風育生-こちいくせい-」(万画廊)
  • 2013年 個展「アジアに生きる命」(伊勢丹浦和店)
  • 2013年 個展「伝統美」(三越銀座店)
  • 2014年 個展「日本と中央アジアを結ぶ新しい日本画」ギャラリーオープン記念(ちばぎんひまわりギャラリー)
  • 2014年 個展「-野に咲く花とカザフスタンの子どもたち-」(万画廊)
  • 2014年 個展「日本の美」(カザフスタン初代大統領博物館)
  • 2014年 個展「花蝶絢爛」(伊勢丹浦和店)
  • 2016年 個展「深花」(アートフェア東京/東京国際フォーラム)
  • 2016年 個展「増殖の行方」(ルネッサンスホテル・アティラウ/カザフスタン)
  • 2017年 個展「愛と乙女」(三越銀座店)
  • 2017年 個展「The Secret Garden」(万画廊)
  • 2019年 個展「わたしと宙と植物の世界」(三越銀座)
  • 2022年 個展「時の痕跡」(ちばぎんひまわりギャラリー)
  • 2022年 個展「Traces of Time」(ヒルトピアアートスクエア)
  • 2023年 個展「時の痕跡」(伊勢丹新宿店, 東京)

Exhibitions in past

  • 2006年 遠藤豆子・宝居智子二人展(銀座 月光荘)
  • 2008年 WOMAN展女子美日本画グループ展示(Jトリップアートギャラリー)
  • 2008年 遊美2008・美術大学在学生、卒業生による合同展示(タワーホール船堀)
  • 2010年 遊美2010・美術大学在学生、卒業生による合同展示(タワーホール船堀)
  • 2010年 アートイマジネーション展・合同展示(NHKギャラリー)
  • 2011年 光の展・グループ展示(銀座ぎおん石)
  • 2011年 小さな絵の大博覧会(ドラードギャラリー)
  • 2011年 東日本大震災チャリティー展示(The Artcomplex Center)
  • 2011年 東日本大震災チャリティー展示(横浜)
  • 2011年 東日本大震災支援「THANK YOU展」(ドラードギャラリー)
  • 2011年 女子美術大学OG展(The Artcomplex Center)
  • 2011年 遊美2011・美術大学在学生、卒業生による合同展示(タワーホール船堀)
  • 2011年 百花繚乱展(The Artcomplex Center)
  • 2011年 蚕雅展・小作品展示(銀座おうぎや)
  • 2011年 カナダ「トロントアートフェス」(カナダ・トロント)
  • 2011年 Young Japanese Artists 2011(ニューヨーク・マンハッタン)
  • 2012年 蚕雅展-新日本画古典研究会-(銀座 月光荘)
  • 2012年 アールデビュタントURWA2012(伊勢丹浦和店)
  • 2012年 コレクター山本冬彦が選ぶ 珠玉の女性アーティスト展(三越銀座店)
  • 2012年 日本画女流画家 艶姿展(ギャラリーショアウッド)
  • 2012年 URUTORA 005(スパイラルガーデン)
  • 2013年 日本画三人展「春宵一刻」(ギャラリー上原)
  • 2014年 華やぎの色 絵画三人展 (伊勢丹新宿店)
  • 2014年 第二回蚕雅展・東京展 (ギャラリーショアウッド)
  • 2014年 第二回蚕雅展・千葉巡回展(行元寺)
  • 2015年 中原亜梨沙・宝居智子二人展「華やぎの色」(伊勢丹新宿店)
  • 2015年 宝居智子展(アルマティー国立中央博物館)
  • 2015年 女子美術大学付属高等学校・中学校100周年記念(上野の森美術館)
  • 2016年 新春日本画6人展(The Artcomplex Center)
  • 2016年 青晴会日本画展(横浜・大阪・京都高島屋)
  • 2017年 青晴会日本画展(横浜・大阪・京都高島屋)
  • 2018年 ブレイク前夜展(Bunkamura Gallery)
  • 2018年 青晴会日本画展(横浜・大阪・京都高島屋)
  • 2018年 三越逸品会(日本橋三越)
  • 2018年 中沢梓・宝居智子二人展(伊勢丹新宿店)
  • 2018年 Christmas ART session(横浜高島屋)
  • 2019年 『美人画づくし 弐』出版記念展(ギャラリーアートもりもと)
  • 2019年 ブレイク前夜展 (六本木ヒルズA/Dギャラリー)
  • 2019年 青晴会日本画展 (大阪・新宿高島屋)
  • 2019年 Art Expo Malaysia
  • 2020年 グループ展示「ブレイク前夜展 小山登美夫セレクションのアーティスト38人」(代官山ヒルサイドテラス)
  • 2020年 グループ展示「The Girl」(三越銀座店)
  • 2021年 グループ展示「たからもの for おくりもの 2021」(BIOME Gallery)
  • 2023年 ART MARKET TENNOZ 2023 (WHAT CAFE)

 

Awards

  • 2007年女子美術大学日本画専攻総代卒業「加藤成之記念賞」受賞
  • 2009年芸術センター公募展 入選
  • 2010年ドラード国際芸術文化連盟「創作表現者展」音楽家の選ぶ絵画賞 受賞
  • 2011年第22回臥龍桜日本画大賞展 桜入選
  • 2016年チェルノブイリ事故30周年・2017年アスタナ博記念「国際芸術家コンクール」 3等受賞

Workshop

  • 2013年日本画ワークショップ・子どもの部/大人の部(青山学院大学)
  • 2014年カザフスタン日本画ワークショップ(アスタナ日本センター)
  • 2014年カザフスタン日本画ワークショップ(カザフスタン初代大統領博物館)
  • 2015年日本文化デー日本画デモンストレーション(アルマティー/国立中央博物館)

Media

  • 2012年 週刊ポスト(6月22日号)
  • 2014年 進路ナビ(女子美術大学卒業生として)
  • 2013年 朝日新聞(8月14日)
  • 2014年 東京新聞(3月29日)
  • 2013年 毎日新聞(8月9日)
  • 2014年 千葉日報(4月4日)
  • 2013年 埼玉新聞(8月26日)
  • 2013年 東京新聞(12月26日)
  • 2014年 毎日新聞(1月23日)
  • 2014年 千葉テレビ2014年カザフスタンTV出演、その他ニュース番組インタビュー、新聞雑誌掲載
  • 2014年 アートコレクターズ1月号表紙/生活の友社(12月25日)
  • 2015年 産経新聞(5月21日)2015年東京新聞(5月22日)
  • 2015年COOL JAPAN
  • 2015年 外務省Webの「世界の学校を見てみよう」
  • 2016年 JICA(国際協力機構)のインタビュー
  • 2016年 FMヨコハマ「Next artlogue」
  • 2016年 BSフジ「ブレイク前夜」
  • 2018年 アートコレクターズ8月号表紙/生活の友社(7月25日)
  • 2018年 フジテレビ「1Hセンス」
  • 2018年 日本放送「ENTERTAINMENT NEXT!」
  • 2019年 FMヨコハマ「FUTURESCAPE」
  • 2019年 J-WAVE 「J-WAVE TOKYO MORNING RADIO」
  • 2020年 bayfm 「MOTIVE!!」

Public Collections

  •  (以下敬称略)
  • 株式会社 千葉銀行
  • カザフスタン初代大統領博物館
  • 株式会社 めいとケア
  • カザフスタン戦争障害者中央病院
  • 梓川診療所(松本市)
  • その他個人蔵

Other Works

  • 2015年千葉銀行カレンダー
  • 2016年中村彰彦 著「疾風に折れぬ花あり」装画担当(装丁:菊池信義)PHP研究所
  • 正寿院天井画/正寿院(京都/宇治田原町)
    客殿天井画の160枚のうち17枚を制作。